【3Dプリンター】糸引きを低減するWipeとCoasting設定の違いを整理して解説【スライサー・CURA】

デジタルモノづくり
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こんにちは、Make WakのWak (@wak198)です。

今回は「WipeとCoastingの違い」についての備忘録的な記事です。

 

WipeとCoastingは、どちらも「フィラメントがあふれて、糸引きを起こしたり、形が崩れるのを防ぐ」ための動作です。

ただ、最初はその違いがわからなかったので、まとめておきます。

 

WipeとCoastingの違い

WipeとCoastingも、どちらも「フィラメントの吐出をしないでノズルを動かす動作」という意味では似ています。

違うのは、
Wipeは「線を書き終わったあとで、すでに書いた線の上をもう一回なぞる」動作なのに対し、
Coastingは「線を書き終わる直前でフィラメントの吐出をとめて、そのまま惰性で線を書ききる」動作である、という点です。

イメージわきますか?詳しく見ていきましょう。

 

Wipe

Wipeは文字の通り、ノズルをワイプ、つまり「ぬぐう」動作です。

あるレイヤーの線を書ききった直後のノズルには汚れ(樹脂)が付着していることがあります
このまま次のポイントに向かうと、この樹脂がダラーっと垂れて糸引きを起こしてしまいます


 

ワイプ動作をONにすると、線を書き切った後に、既にプリントした部分の上をノズルが走ることで、この汚れを拭い取ってしまいます。これにより糸引きが軽減されます。


 

なお、ワイプしている最中はフィラメントの吐出はOFFになっています。

 

Coasting

Coastingとは何でしょうか?そもそも英語の意味がわかりません。。

Coasting : 惰性

まだわかりません。

スライサーソフトCURAのマニュアルを読んでみると、こんな風に書かれています。

 

コースティングは、ノズルの圧力を緩和するために、プリントラインの最後の部分の押出機(フィラメントの吐出)をOFFにします。ノズルに溜まった圧力を減少させ、樹脂がデコボコと外側にはみ出す不良を最小限に抑えることができます。


 

つまり、線を書く最後の部分で押出機(フィラメントの吐出)をOFFにして、ノズルに溜まった樹脂(圧力)を吐き出しながら惰性で線を書ききる動作ということです。

これにより、線を書ききった後にフィラメントがダラダラ出てくるのを防ぐことができます。

 

まとめ

Wipe動作は、どちらかと言うと「ノズルの外」の汚れに対してとるアクションです。既にプリントしたものの上を、ノズルが走ることでノズルを拭って綺麗にします。

Coasting動作は、どちらかと言うと「ノズルの内」の樹脂(残圧)に対してとるアクションです。プリントの終わる直前に、樹脂の吐出を止めてしまうことで、ノズルの中の残圧をなくしてしまいます。

どちらの動作もノズルから樹脂が垂れるのを防いで、糸引の発生を軽減させてくれます。

ただし、原因と対策がそれぞれ異なるため、どちらが効果があるかはプリント動作をよく観察してみたり、実際に試してみたりしないとわかりません。

 

糸引や継ぎ目が汚くて困っている人は、Wipe動作やCoasting動作をオンにしてみて、色々パラメーターを振って試してみてください。

 

なお、糸引に対しては、リトラクションの設定が一番有効なので、まずはこちらを試してみて、それでも直らない場合は、WipeとCoastingをいじってみるといいと思います。

 

それでは良いモデリングライフを! Wak

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