こんにちは、Make WakのWak (@wak198)です。
今回は「ソフトウェア上の『ジグ』をつくるとかなり便利」というお話です。
モノづくりをやったことがない人のために説明すると、ジグとは「なにか単純作業をするときに使う簡単な道具」のことです。
ある決まった位置に固定するとか、簡単なプレス加工をするとか、ジグの形や規模は用途によって星の数ほどあります。
ジグを使うメリットは「誰でも」「正確に」「手早く」作業をできることにあります。
フリーハンドで線を引くより、定規を使ったほうが早いのと同じように、簡単な道具があれば作業の効率とクオリティは格段に上がります。
今回はこの「ジグ」の考え方をソフトウェアの世界にも持ち込もうよ、という記事です。
ソフトウェアの活用や、プログラミング言語の習得は避けられがちですが、いちど慣れてしまえば後は自動でいろんな処理をしてくれるようになるので、自分の本来の業務に集中することができるようになります。
最近、個人的にこういう成功体験が多かったので、少しでも参考になるよう足跡を残しておきます。
それでは詳しく見ていきましょう。
結論:ソフトウェアの世界にも「ジグ」の概念を持ち込もう!
繰り返しになりますが、ノンプログラマーの方こそソフトウェアの世界に「ジグ」をつくる発想を持ってほしいと考えています。また、その「ジグ」を用意するための方法を身に着けてください。
日々のデータを扱う仕事(実験データ整理や書類作成など)が少しでも軽くなれば、もっとラクに、もっと成果を上げられるようになります。
ちょっとした無料ソフトや、プログラミング言語を調べて、試してみる習慣をつけるだけで、日々の生産性が劇的に上がります。
僕はこれを「ソフトウェア上のジグをつくる」と呼んでいます
モノづくりの世界では、あるモノを加工したり測定したりするときに、手作業でモノを扱うことはほとんどありません。
なにか道具を作って、その道具を使って加工したり測定したりします。
こうした道具のことを「ジグ」と呼びます。
ジグがあると、手加工するよりも「誰でも」「正確に」「手早く」作業ができるので、モノづくりの現場では当然のようにジグを作ったり、改善したりしています。
これをソフト上でも行おう、というのが今回の趣旨です。
1本1万円もするような大がかりな装置(ソフト)である必要はありません。無料ソフトとか、お手製のプログラムで十分です。
ちょっとした繰り返し作業を、「誰でも」「正確に」「手早く」するために、ちょっとした道具を作るように、ソフトウェア上で「ジグ」を作りましょう。
理由:ジグをつくるとこんなメリットが!
ジグを作る理由は単純で、「メリットが大きいから」です。例えば、こんなメリットがあげられます。
【ジグをつくる理由】
- 誰でもできる(標準化)
- 早くできる (工数削減、納期短縮)
- 正確にできる (再現性UP)
- 無人でできる(コスト削減)
- 無意識、ストレスなくできる(QOL向上)
これがメリットです。
これはハードウェア上でもソフトウェア上でも同じです。
Wakも、今まで2,3時間かけて必死にやっていたデータ処理が、パソコン上で自動で処理できるようになったことがありますが、本当に世界が変わります。このときは2時間かかるデータ処理をパソコンにやってもらいました。
夜、子供の面倒を見ている間に仕事が終わっていたときの快感といったらないですよ。生活の質の向上を感じます。
具体例:自分が最近やったことの例
ここでは具体的にWakが最近試したソフトウェア上のジグの具体例を紹介していきます。
ジグの性質上、これがすべての人に当てはまるものではありません。あなたの作業に合わせた方法は他にもいっっぱいあるはずです。ここでは「ふーん、こんなもんか」という参考までにご覧ください。
【個人的に最近導入したジグ】
- Google日本語入力(特に単語登録をしやすいようデスクトップにショートカットを作成)
- iPhoneのSiriの活用(音声入力、スケジュール登録、リマインダー登録はすべてこれ)
- リモートマウスの導入(スマホの音声入力をPCに飛ばす)
- かな入力の練習(現在も挑戦中)
- PhraseExpress(改行を含む定型文を一発呼び出し)
- Pythonで寸法データ自動計測&集計(csvを読み込んで形状を検出→測定を自動処理)
- 多機能マウスを使って機能割当て
- Word, PPT, Excelのクイックアクセスツールバーの徹底活用
- etc…
見ていただくと分かるように「単語の辞書登録」レベルから始まっています。
「それくらいの事は当然やっているよ!」という声が聞こえてきそうですね。
それで良いんです。それをもっと続けてください。もっと深堀りしてください。
例えばここでは、辞書登録そのものがめんどくさいので、デスクトップにショートカットを作成するところまで調べて実行しています。
こういう積み重ねを繰り返ししているうちに、他の人では実現できないような高いレベルの生産性を獲得できるようになります。
また単純に無料のソフトを使うのもいいですが、レベルアップの方法として、Pythonなどの扱いやすいプログラミング言語を少しだけ覚えてしまうのもオススメです。これもどうせ無料なので。
一度こういった汎用的な言語を覚えてしまえば、他のことにも使えるようになります。
僕の場合は、仕事でも応用が効くようになって、測定データの「形状認識」「寸法測定」「データ集計」が自動で繰り返し処理できるようになりました。
結果、寝ていてもパソコンが仕事をしてくれるようになったので、僕の生産性は劇的に上がりました。
理解:プログラミング言語は敷居が高い!
ここまで読んだ方で、こう思っている人も多いでしょう。
「プログラミングなんて、難しくて自分にはとても無理無理!」
わかります。Wakもプログラミングにはけっこうな学習コストを割いたので、その大変さがよくわかります。
特にノンプログラマーの方、ハード設計者の方ほど、プログラミングを避ける傾向にあるような気がします。
その気持もよくわかります。
ですが、もし仮に100時間の勉強で、週に2時間ラクできるようになるとしたらどうでしょうか?
365日 = 52週なので、104時間ラクできるようになります。たった1年で回収できる投資というわけです。
Googleなどの専門のプログラマーになる必要ありませんが、簡単なジグを作れるていどには勉強はしておいて損はないと思うんです。
もし今後20年間働くなら、2,000時間もモトが取れる計算です。その間、黙っていても成果があがるんです。
ソフトのことはわからない、プログラミングの事はさっぱりで、と言っていないで、少しずつでもいいから試してみるのがいいと思います。理由は「メリットがあるから」です。
どうしてもプログラミングが無理なら、Excelのマクロ記録でも十分です。
馬鹿にされることも多いかもしれませんが、非常によくできた自動化ツールだと思います。データの転記ができる、とか、そんなレベルで良いんです。
おじさんでも、若い人でも、とにかく使えるものを使ってみる、と言うことをお勧めしたいと思います。
無料ソフトを使うのでもいいです。最近はどんなソフト、アプリでもネットでレビューが読めるようになりました。検索すれば必ずその使い方が出てきます。自分でいちいち勉強する必要はありません。
こうした環境を一度作ってしまえば、次からは二度とその作業しなくてよくなります。
こうしたことを10個20個積み重ねていくと、他人には真似できないような高みに到達できるというわけです。
おわりに
モノづくりの世界では徹底的にムダ取りをします。
そうしないと儲けが出ないからですね。
その一つとしてジグもよく活用されます。ジグには「誰でも」「正確に」「手早く」作業をできるメリットがあります。
このジグの概念を、ソフトウェア上でも適用して自分の生産性を高めていきましょう。
きっと新しい世界が見えてきますよ。
Microsoftがつくり出すような巨大なソフトじゃなくていいんです。自分だけが使える、小さな道具をたくさん生み出していくことが大事です。
日本のメーカー企業は、こういうソフト活用が遅れている印象があります。
今からでも遅くないですから、ちょっとずつできることを増やしていって、「未来の自分」と「未来の産業」のかたちを実現していきましょう。
それでは良いモデリングライフを! Wak
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