こんにちは、Make WakのWak (@wak198)です。
今回はFlashforge社のオススメ3Dプリンター、「Adventurer3(アドベンチャー3)」をご紹介します。
以前紹介した、Anycubic社のi3 Mega Sや、Creality3D社のEnder 3はどちらかと言うと「とにかく安く」という意味でオススメなのですが、フレームがむき出しだったり、自分で組み立てしないといけなかったりして、無骨な感じは否めません。
それに対してこのAdventurer3は、とってもしっかりした作りになっていて、デザインも近未来化のあるものになっています。
多少、値が張ってもきちんとしたもの手に入れたい、という方にオススメできる3Dプリンターです。
私見ですがTwitterなどでもよく購入レビューや使用レポートが上がっており、人気が伺えます。
有名なところでは、劇団ひとりさんがTwitterで購入&使いこなしを披露されており、3Dプリンター界隈が盛り上がりました。
届いた
かっこいいー pic.twitter.com/kj3YLmqH1h
— 劇団ひとり (@GekidanHitori) March 21, 2020
まとめ記事も出ているので興味があるかたはご参考に。
こんな感じで、人気の機種は情報も集めやすいところも隠れたオススメポイントの1つです。
それでは詳しく行ってみましょう!
Flashforge Adventurer3の概要
Flashforge Adventurer 3は、初心者や教育用に開発された「密閉型」「デスクトップ型」の3Dプリンターです。
とてもシンプルでかっこいいデザインになっていますね。
密閉型というのはプリントする部分が「箱で覆われている」タイプの3Dプリンターのことを言います。
外から風が当たらないのでプリントの品質が安定しやすかったり、騒音源が覆われているので比較的静かに動作をさせることができます。
デスクトップ型というのは、机の上にも置けるぐらいには小型・軽量・シンプルな作りです、ということです。
確かにこのAdventurer3 なら、自分のデスクに置いてあったり教室に置いてあったりしても違和感がないですよね。
Adventurer3は3Dプリントを、簡単かつ手頃な価格で実現できるよう開発が進められました。
Flashforge Adventurer 3は、メーカーのウェブサイトではわずか399ドルと表示されています。
日本版の公式サイトでは、63,000円(税抜、2020年8月)ですね。
自動フィラメント供給システム、取り外し可能なプリントベッド、内蔵カメラなど、様々な「かゆいところに手が届く」機能を搭載しています。
構造
Adventurer 3は、全周をプラスチックで覆われた構造をしています。
貧弱な片持ち構造だったりすると、プリント中にノズルがブレたりして印刷精度が悪くなることがありますが、この頑丈な構造であればその心配は少ないでしょう。
また、全面・左面・上面は透明な窓が設けられており、プリントをモニターするのにとても便利です。
プリント中に失敗していてもすぐに見つけられるし、何よりプリント中の様子を見るのって楽しいんですよね。
目の前でみるみるモデルが積み上がっていく様子は、ついつい時間を忘れるほどの楽しさです。
また小さい子供がいても、熱源に簡単に手が触れられないので、安全性も確保されています。
透明窓はよく考えられたいいアイデアだと思います。
また、一体構造のおかげで自分で組み立てをする必要がありません。
安価な3 D プリンターは半組み立て式になっていて、2時間ほどかけて自分で組み立て調整を行う必要があります。
Adventurer3の場合は家に届いてから1時間もかからないうちに初めてのプリントができるケースが多いようです。
ここも初心者におすすめできるポイントの一つですね。
Adventurer3特有のオススメ機能
ここではAdventurer3特有とも言える3つの便利機能について紹介していきます。
どれも他の3Dプリンターではなかなか見ることができない機能ですが、あると便利なものばかりです。
特徴①:本体に内蔵された200万画素のカメラ
Adventurer3には、本体の内部にカメラが内蔵されています。
このカメラを、FlashCloudという専用のソフトを中継することで、プリント中の様子をリモートでモニタリングすることができます。
別の部屋や出先にいて、「あれ、あのプリントうまくいってるかな?」なんて不安になったときでも、パッとすぐに確認できるのでとても便利ですよね。
3Dプリントは10時間、20時間かかることも多く、失敗もつきものなので、この機能はとても便利だと思います。
特徴②:取り外し可能なノズル機構
交換可能なノズル部(とスペア)が付属しているので、部品の交換も簡単です。
ノズルのみを簡単にリリースできる独特の機構を採用しており、メンテナンスやカスタマイズを簡単に行うことができます。
Twitterでは、0.3mm径のノズルが発表されて評判になっていました。
(通常0.4mm径(太い)が、簡単に細くできるので積層ピッチを細く(モデルをなめらかに出力)することができる)
通常ノズル交換は、六角レンチなどの工具を用いて慎重に外してやらないといけないので、それなりに手間がかかる作業です。
これをワンタッチでできるというのは非常に便利ですね。
特徴③:Wi-Fi接続可能
Adventurer3はWi-Fi接続に対応しています。
Flashprintという専用ソフトを介してネットワークに接続することで、コンピュータから簡単にプリントを開始することができます。
(USB メモリーから直接読み込むこともできます)
普通この価格帯の3 D プリンターは、 USB メモリーや SD カードなどの記憶媒体を使ってモデルデータを直接転送する必要があります。
これがWi-Fiで通信できると、
- 離れた場所にいても印刷をスタートできる
- USBメモリやアダプタなどのハードが減ってデスクの上が整理できる
といったメリットが生まれます。
この機能もとても便利ですね。
タッチパネル
Adventurer3には2.8インチのカラータッチスクリーンが搭載されています。
言語インタフェースも日本語を選ぶことができるので、直感的な操作が可能です。
iPhone ほどキビキビ動くわけではありませんが、ツマミやボタンで操作するタイプよりはるかに使いやすいと思います。
今後の3Dプリンターはタッチパネル式が一般的になっていくでしょうから、ここもAdventurer3をおすすめできるポイントですね。
スライサー
3Dプリンターを扱うにはスライサーと呼ばれるソフトが必要です。
3次元モデルのデータは実はそのままでは3Dプリンターは読み込めません。
スライサーソフトの役割は三次元モデルのデータを3 D プリンタが読み込める形式に翻訳することです。
世の中には様々なスライサーソフトがありますが、Adventurer3の場合は専用のFlashPrintというソフトが用意されています。
僕も初めてのソフトがFlashPrintでしたが、特に迷うこともなく直感的に使用ができる作りになています。
シンプルでわかりやすいので初心者の方にはおすすめです。
ビルドプレート
ベッドに搭載されているビルドプレートはスライドして取り外すことが可能です。
取り外したビルドプレートはフレキシブルな材料でできているので、印刷物を簡単に剥がすことができます。
仕様や特徴
プリンタ本体サイズ
やや小型で軽量の部類です。
奥行きが特に小さいので机の上に置くときなんかに便利ですね。
幅 | 388mm |
奥行き | 340mm |
高さ | 405mm |
重量 | 9キロ |
印刷サイズ
印刷サイズは150 mmと少し小さめの部類ですが、手のひらサイズのフィギュアや部品は一通りプリントすることができるでしょう。
大きすぎると調整が大変になったりして、初心者に取り扱い辛くなるので、そこはバランスを取っている印象です。
ちなみに、プリントするときにナナメに配置してやれば、なんとか200mmぐらいのものまではプリントすることができます。
幅 | 150mm |
奥行き | 150mm |
高さ | 150mm |
温度
①押出機(エクストルーダー、ノズル、ホットエンドとも言う)
ノズルの最高温度は240℃まで対応しています。
3Dプリンターで一般に使う材料で最も温度が必要なものはABSです。
ABSでは推奨温度が210~250℃と言われているので、240℃だと一応対応できるレベルでしょう。
ちなみに一番扱いやすいPLAでは180~220℃くらいなので、全く問題ありません。
②プリンタベッド(ベースプレート、ビルドプレ―トとも言う)
ベッドの最高温度は100℃まで対応しています。
ABSでは推奨温度が110℃と言われているので、ちょっとギリギリ感はあります。
ただし本体が密閉型かつプリントサイズが小さいので、ABSであっても反りの影響
小さくなるため、問題なくプリントができるようです。
実際、推奨材料としてPLAとABSの2種類が明記されています。
扱いやすいPLAでは70℃もあれば十分なので、全く問題ありません。
注意点
Adventurer3はフィラメントホルダーが本体に内蔵されています。
つまり、サイズが合わないフィラメントは取り付けることができません。
当然純正のフィラメントは取り付けることができますが、サードパーティ製のフィラメントは選択肢が制限されるでしょう。
本体を破壊して改造している強者もインターネットでは見かけますが、Adventurer3を購入する 3Dプリンターユーザーは初心者の方が多いでしょうから、あまりお勧めできません。
幸いFlashforge社の純正フィラメントは評判も良いので、最初は純正フィラメントを使って経験を積むのがいいと思います。
慣れてきたらネットの記事などを参考にして自分で改造するか、新たに安価な3Dプリンターを購入すると言うステップアップ&コストダウンを図っていくのがいいでしょう。
ちなみにコスト優先の場合、Wakが強くお勧めしている3DプリンターはAnycubic社の i3 Mega Sです。
こちらの記事も是非参考にしてみてください。
まとめ
今回は安価で初心者にオススメできる3Dプリンター、Flashforge社製Adventurer3について僕なりに解説してみました。
日本版の公式サイトもとても分かりやすくまとまっていますが、今回は「安価な」「3Dプリンター経験者」でありながら、「まだまだ初心者に近い」という僕なりの目線でAdventurer3の特徴をお伝えしました。
Adventurer3は低価格かつシンプルな作りでありながら、充実した機能を盛り込んだ素晴らしいモデルだと思います。
ぜひこの機会に3Dプリンターデビューして、一緒に憧れのメイカーとしての「冒険」へ出発してみましょう!
それでは良いモデリングライフを!
Wak
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